アンビバレンス
伊東 直哉 / trico ultra beam
Photo:伊東直哉 Model:中村朋世 撮影場所:タイエ

作者コメント:
あくまでモデルさん自身が引き立つ様にメイク、写真もシンプルに仕上げました。毛先の表情、繊細な動きに特にこだわりました。

選出者(SHINBIYO/GINZA)コメント:
【SHINBIYO】
多様な作風が集まる中で、衣装の要素を入れずヘッドショットでアプローチした潔さが際立っていたと思います。ヘアスタイル自体は決して奇抜なことはしていないものの、髪の動かし方などのディテールの処理、さらにアングルや表情にも徹底した計算や意図が感じられ、シンプルながら強さを感じさせるスタイルです。クールでややマニッシュなベリーショートは、このモデルさんだからこそ似合っているとも思いますが、そういったモデル選びや似合わせの観点からもサロンワーカーとしての手仕事のクオリティが感じられました。透明感のあるメイクも写真全体の澄んだトーンにマッチしており、完成度を高めた要因になっているのではないでしょうか。
【GINZA】
男の子? 女の子? と思わせる、ノージェンダーな雰囲気と、「そんなの、どっちだっていいじゃない!」と言っているような、ちょっぴり生意気な感じに惹かれました。ユニセックスなショートカットをベースに、つんつんと小気味よく跳ねる毛先がかわいい。力が抜けているのに主張もある、時代にマッチしたヘアデザインに共感しました。たとえば白シャツ×デニムのシンプル着こなしも、こんな髪型ならぐんとスタイリッシュになりそうです。性別を無理に越えようとするのではなく、自分が心地いいことを選んだら自然と行き着いた……そんな結果のノージェンダーは「GINZA」が提案するファッションとも共通する気分です。