2010
Award
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昨年の1回目から完成度の高い展覧会でした。2回目の今年は、さらに昨年を上回る完成度をみせていたと感じます。正直、全国レベルの雑誌に掲載されても遜色ない作品が多かったのは事実ですが、一つ危惧するところは「上手すぎ」な点です。多くの参加者はヘアーデザインにしても写真にしても、かなりのテクニックを持って臨んでおり安定感がありました。ただ新しい時代を切り開くには、その安定感を破壊することから始まります。もちろん完成度無くしては破壊も出来ませんので、来年の展覧会に大きな期待が膨らみます。
- 端 聡
1960年岩見沢市生まれ、札幌在住。札幌を拠点に活動し、北海道立近代美術館などに作品が収蔵される。札幌のみならず海外での活動も盛んに行い、 1996年「VOCA/Vision Of Contemporary Art」(東京・上野の森美術館)で奨励賞、ブタペスト国際彫刻絵画ビエンナーレ(ハンガリー)で美術教育文化財団賞受賞。2000年札幌ドームに屋外オブジェを制作。2008年北海道立近代美術館開館30周期年展「Born in HOKKAIDO」に選出される。近年は舞台の芸術監督としても活動し、パリオペラ座バレエ団エトワール、マリーアニエス・ジローやハンブルクバレエ団プリンシパル、イリ・ブベニチェクとのコラボレーションで、2004〜2007年にスピカ、東京新国立劇場で開催された「融」などが代表作。また札幌市主催イサムノグチメモリアル・モエレ公園グランドオープンにてオープンセレモニー「GRAND」の芸術監督を務めている。2004年度、札幌文化奨励賞を受賞。
今回、初めて100人展2010に参加させていただきました。北海道の多くの美容師の方々が、想い想いの作品を発表する貴重な機会にお声をかけていただき大変光栄に感じております。それぞれの作品に至るまでの苦労や葛藤、その過程で生まれた様々な気づきや発見は、なにものにも変えがたい経験として、さらなる作品つくりの、飽くなき挑戦へと続くことと信じています。願わくば今後この作品展が多くの美容師に支持され、ここを目指し、新しい表現の可能性を発信する拠点となることを期待しております。そしてこうした活動こそが新しい美の価値を生み出す美容師の責務であり、使命であると信じてやみません。これからも応援させていただきます。
- 原田 忠
2000年資生堂入社。資生堂の宣伝広告のヘアメークを中心に、NYやパリ、東京コレクションなどでも多岐にわたり活動。資生堂UNOではヘアディレクターとして商品開発、ソフト情報の作成などにも携わる。また最新のファッション・シーズントレンドのヘア傾向分析や予測も行う。ヘアメーキャップスクールSABFA講師。
実は、コンテストなどイベント数から受ける印象だと、関東より北エリアの美容師は、ちょっと元気がないかも…と心配してました。が、『100人展』で皆さんと交流できたことで、北海道から発信する“クリエーション”や“美容カルチャー”へかける熱い想いがひしひしと伝わってきました。これを機に、微力ながら応援させていただきたいと思います。出品作品については、デザイン性の高いものからサロンワークよりのものまで、つくりたかったヘアスタイルをそれなりにまとめていたと思います。そんな中でも、目が留るとか印象に残る作品というのは、当然のことですが、テーマ×モデル×コスチューム×メーク×シチュエーション×ポーズ…が相まって、その世界観を理解しつつコラボできるカメラマンが切り取ってくれたものではないでしょうか。今後の皆さんの進化を楽しみにしています。
- 星 比奈子