2011
Award
General Comments
大変楽しく参加させていただきました。最初は、数人の美容師の呼びかけからスタートした『100人展』。本来だと、スポンサーを募ったり、運営費などを他からまかなったりするイベントが多い中、なるべく自分たちの手で作り上げたいという純粋な志に、とても感銘を受けました。その分、イベントの主旨がぶれずに、今回まで回を重ねることができたのではないでしょうか。個人の作品発表の場としての意味だけでなく、一般の人や異業種のクリエイターとも交流ができ、「感性の出会える場」として大変興味深いイベントだと思います。ギャラリー形式で展示されたフォト作品も、ヘアデザインから派生するファッション性の高いものから、アート性の高い作品まで、メッセージ性の強い見応えある写真ばかりでした。「北海道、なかなかやるな」というのが、率直な気持ちです。これからも、応援していきたいと思いますので、がんばってください。
- 寺口 昇孝 (ヘアモード編集長)
間違いなく、年々レベルアップしていると思います。毎年毎年楽しみでたまりません。選考時の最終候補の人数が増えてきました。ヘアだけでなく写真全体の世界観が上手く表現されている物が確実に増えてきたと思います。それだけ皆さんの意識が高くなった証拠だと感じました。ただ、「自分のやりたい事をがむしゃらにぶつける。」それも素敵ですが、もうワンステップアップして、『自分のやりたい事をヘアを通して人に伝える」という意識でヘアを作ってみるともっと良くなるのではないかと思います。
- 七海麻子(JHA大賞受賞フォトグラファー)
「北海道、熱い!!!」初参加させて頂いた印象です。技術や感性の高さは然ることながら、“ヘアデザイナーとして新たな可能性・創造性をここから発信する”という熱い想いに、感動しました。「美容師の、美容師による、美容師が先鋭なヘアデザイナーであるためのイベント」であると感じました。これから、さらに重要なカギとなる『デザイン力』。それを磨くだけでなく、発信していくことに大きな意義があることは明白です。お客様がクリエイティブな作品を見て「この感性を持った美容師さんに私のヘアをデザインして欲しい」と言う時代が、すぐそこに来ています。ぜひ、これからも頑張って下さい。応援しています。次回が待ち遠しいです。
- 乾 亜美 (SnipStyle 編集部)
3回目ともなれば、主催者側も少しは仕事に慣れて気を抜く場面もあるのだが、少々違ったようである。実行委員会メンバーが口を揃えて、今回は厳しかったことを告げている。それは東日本大震災における自粛ムードの真っ只中に準備期間が重なったことが影響している。開催中止か、続行か?そのことでも随分と悩んだに違いない。2次大戦中のロシアでは、戦中の大被害にあったとき、美術館は一日も休まず開館していたそうた。そのような時世だからこそ、人の心を癒す芸術文化が必要という理由であった。人間は創造する生き物であり、創造無しには生きられない。創造の象徴とも言うべきアート表現は我々に重要なのである。震災後のこのような時期だからこそ、創造や表現の光を消してはならないのである。その意味で今回、100人展を開催したことの意義は大きい。作品の完成度も含め、今後の展開が多いに期待できるものとなった。
- 端 聡
1960年岩見沢市生まれ、札幌在住。札幌を拠点に活動し、北海道立近代美術館などに作品が収蔵される。札幌のみならず海外での活動も盛んに行い、 1996年「VOCA/Vision Of Contemporary Art」(東京・上野の森美術館)で奨励賞、ブタペスト国際彫刻絵画ビエンナーレ(ハンガリー)で美術教育文化財団賞受賞。2000年札幌ドームに屋外オブジェを制作。2008年北海道立近代美術館開館30周期年展「Born in HOKKAIDO」に選出される。近年は舞台の芸術監督としても活動し、パリオペラ座バレエ団エトワール、マリーアニエス・ジローやハンブルクバレエ団プリンシパル、イリ・ブベニチェクとのコラボレーションで、2004〜2007年にスピカ、東京新国立劇場で開催された「融」などが代表作。また札幌市主催イサムノグチメモリアル・モエレ公園グランドオープンにてオープンセレモニー「GRAND」の芸術監督を務めている。2004年度、札幌文化奨励賞を受賞。