2014
Award
Nominate
General Comments
北海道のクリエイターの皆さんのパワーに触れる機会を頂き、ありがとうございました。
良い意味で北海道スタイルというものを発見できなかった、つまり、ステレオタイプの作品が無かった。そのことが私にとっての収穫でした。バラエティに富んだスタイルはおそらく、自由な発想とおおらかな表現方法が生んだものだと推察します。
言い古されている言葉ですが「個性」とは、出そうとするものではなく出てしまうもの。それが自然と表れている100人展は、回を重ねる毎にパワーアップしていくのだと期待しています。
- 笹沼 彩子(ar 編集長)
デザイナーひとりひとりの感性、想い、情熱がギュッと詰まった作品たちに圧倒されました。モノづくりに対するこだわり、自らのセンスや感覚 と向き合い、更なる高みを求める姿勢、そして、それらを仲間同士で共感し、みんなで楽しむような臨場感。本当に素晴らしいコンテスト、展 覧の場だったと思います。北海道ヘアデザイナー100人展。このイベントを通して、次の世代のトレンドを牽引するような新たなヘアデザイナーが誕生し、また、北海 道から全国へ影響を与えるようなスターも多く生まれるのではないか、とも予感をさせます。秀逸な職人気質をもつ美容師たちが、先品づくり という感性を磨く行程を基に今後もっともっと洗練され、世の女性たちの冷めぬ美に対する欲求に応え続け、そして、新しい感性を与えて続け てあげられるようなクリエイターとして成長していく姿を楽しみにしています。またお会いできるのを楽しみにしています。北海道での素晴ら しいひと時を、本当にありがとうございました。
- 鈴木 暁(CYAN 編集長)
私は普段、ファッション誌での仕事として撮影をディレクションしたり、写真を選んだりすることが多く、その観点から拝見しました。写真という形で発表される作品ではヘアメイクの技術はもちろんですが、写真として構図やライティング、スタイリングやモデルの表情まで全てが見る人に作用します。その全体で描かれている世界観として、新しさやインパクトを残してくれたもの、今の気分に合うものを選出させていただきました。北海道のイベントということで、地域密着型のわりとこじんまりとしたものを想像していたのですが、会場での皆さんの熱気や関心の高さにはびっくり! スタッフの方などにもとても親切に対応していただき、私にとっても思い出深いイベントとなりました。参加スタイリストは北海道に限らず、東京やNYなどいろいろな場所から参加されていることもあり、北海道を超えて注目されるイベントになりつつあるのかなと思います。日本人のヘアやメイク技術は、世界でも対等に渡り合える高さ。今の気分を感じ取り表現していく感性を磨いて、ぜひこれからも活躍されることを期待しています!
- 今村 絵里(フリーランスエディター)
この度は審査員としてお招きいただき、本当にありがとうございました。北海道で活動する美容師さんの熱気や志向を肌で感じることができ、非常に貴重な時間を過ごせたという実感があります。担当させていただいたフォト作品の審査に関しては、表現の方向性や訴求内容の異なる作品が多数エントリーされていたため、「何を基準に評価し、選出するか」という点に頭を悩ませました。これは、つくり手の個性が豊かであることの表れだと思います。ただ、欲を言えば「美容師が手がける作品写真」という意味合いが、もっとストレートに伝わるヴィジュアルが増えれば、とも感じました。「美容師が手がける作品」として、「ヘアやメイクを軸にした女性像表現」、また「ヘアスタイルのデザイン性を追求」などに軸足を置いた作品が増えると、見る側の感想は「何だかすごい」から「美容師ってすごい!」に変わるはずです。またそうなれば、つくり手である美容師のセンスやスキルが、受け手により深く伝わるのではないでしょうか。「北海道100人展」は、美容師の感性と北海道の女性とをつなぐ、稀有な場であることは間違いありません。今後ますますの発展を願っております。
- 小松 裕弥(HAIR MODE 副編集長)
「美容師とはビジュアルプロデューサーであるべき」―― 美容師という仕事の本質を考えた時、そういう結論にたどり着きました。サロンワークではお客様のビジュアルをプロデュースします。そしてクリエイションでは造形やイメージをヘアを通してプロデュースし創り上げていく。まさにそれは、アートでありファッションでもあります。そして、この100人展に投稿した130人はすでにプロデューサーです。モデルの個性を上手くいかし、作品としての見せ所をおさえている作品もあれば、「こんなビジュアルを創りたい!」という思いが先に立ってしまったなと感じる作品もありました。しかし、作品のクオリティの幅はあっても、その強い思いが発するパワーは絶大。髪の毛という生きた素材を巧みに操りデザインするクリエイターが、自分の作品とともに起こすムーブメントは、お客様となる一般の方、そしてデザインに携わる他業界のクリエイターへ、今までの美容師という概念を打ち破る大きなインパクトを残すはずです。100人展はまさに美容師の美容師による美容師のためのイベント。これからも『Take Action! Try New One!』の精神で、飛躍し続けていくことを期待しています。
- 乾 亜美(SnipStyle 編集長)
今回、初めて審査させていただきましたが、全体的にクオリティが高く驚きました。
弊誌に載せるとしたらどの作品か、という観点で見させていただきました。
アワードへのコメントでも書きましたが、ヘアスタイルが素敵であることは大前提で、やはり“フォトコン”ですので、写真として素敵かということも重要だと思います。
ヘアだけではなく、メイク、衣装、モデル、小道具、ライティング、構図などを含めて、世界観を写真で表現できているか、見た人に伝わるかが大切だと思います。写真作品は、一人の力で作ることは難しいです。そこには、モデルさん、メイクさん、衣装スタイリストさん、フォトグラファーさん、沢山の方達の力が必要です。その方達とセッションしながら作り上げて行けば、もっと素敵になったのではないかと感じる作品が多かったです。上位入賞者は、世界観をうまく表現出来た方達が選ばれたように思います。
- 遠藤 真耶(TOKYO FASHION EDGE 編集長)
第一回目から関わらさせていただいています。早いもので6回目ですね。初回から比較すると作品完成度が上がり正直驚く程です。私はヘアデザイン界の人間ではなく素人考えかもしれませんが、今年の応募作品の3割ぐらいは、そのまま全国版のファッション誌、業界誌に掲載されても違和感がない気がしました。6年の歳月は大きいものです。とは言え、私のミッションは芸術の視点で作品を選考することですので、その意味では該当する作品が多いとは言えません。ただ今年も何人かの作品は業界の方向よりアート系の方向性を示すものがあり、数は少ないにせよ、やはり年々目的意識も高まり作品の質は高まっています。できれば、このアートかデザインかの2元論ではなく、毎年ゲストの作品に見られる様なその両者が融合する作品を多く体験したいものです。ここ札幌から世界に発信するには芸術性も間違いなく問われるはずですし、6年目を迎えたということは当然、周りの期待値も含めハードルも高くなります。いよいよ楽しくなってきましたね!
- 端 聡(美術家/アートディレクター)
初めて審査に参加して、作品としてのクオリティの高さに驚いたし、道外の方の出品も数多く目にして、イベントとしての拡がりを道民として嬉しく思った。
そしてどの作品も個性的で、審査するにあたってたくさん悩んだ。
みなさん、どんな風にこれらの作品を生んだのだろうか?そのプロセスに興味がある。
コンセプトは?スケッチは?それとも作りながら考えた?
ある数学者にインタビューした時に聞いた話を思い出した。
数学は登山に似ている…。例えば円周率を導き引き出すための公式は無数に存在しているらしい。
円周率を研究する数学者は、そのどれでもない美しい数式を見つけ、証明するために研究を続けているのだそうだ。
山頂に向かって誰も登ったことの無いルートを競って見つけ出し、命を賭けて登って行くアルピニスト達にそっくりではないか、と。
残念ながらアワードは逃していたとしても、今回の作品制作のプロセスを思い返し、誰よりも困難なルートを駆け上がったと胸を張って言えるなら、僕はそれは誇るべきことだと思うのだ。
- 鈴木 謙太郎(映像ディレクター)