2015
Guest Artists
International Guest Artist
SHON
Hyungsun Ju
SHON(Hyungsun Ju)、韓国出身。スキルアップのため韓国のヘアサロンに勤務。2001年のヘアデザイン賞受賞を機に、一躍、アジア広告業界のトップスタイリストの一人となる。その後、有名雑誌 Korean VOGUE、Harpa's BazzarやELLEでの専属スタイリストとして活躍するも、さらなる飛躍を求め、ファッションの中心地であるロンドンに1人降り立つ。 すぐにJosh Olins(ジョッシュ・オリンズ)、Steven Klein(スティーブン・クライン)、Paolo Roversi(パオロ・ロベルシ)やPeter Lindbergn(ピーター・リンドバーグ)といった時代を牽引する著名写真家らと共に仕事を行なうようになる。現在も、定期的にVOGUE(フランス、イギリス、イタリア)でヘアスタイルを担当。またBelstaff(ベルスタッフ)、DKNY(ディーケーエヌワイ)、Hogan(ホーガン)、Mugler(ミュグレー)、Pringle of Scotland(プリングル・オブ・スコットランド)などのコレクションショーにも携わる。最新のファッションを創り出す彼のテクニックとクリエイティブな発想は、今最もクリエイターらに求められている才能の一つである。
A native of South Korea, SHON (Hyungsun Ju) began his journey working in a salon in Seoul. He soon realized his passion for hair and went on to become one of the premier stylists in the Asian advertising industry, receiving the award for hairdresser of the year 2001. He worked on a number of leading publications including Korean Vogue, Harper’s Bazaar and Elle. Wanting to stretch himself further, SHON decided to pack his bags and move to London to place himself in the center of the fashion world. It wasn’t long before he began to build an impressive list of collaborations with leaders in the industry such as Josh Olins, Steven Klein, Paolo Roversi and Peter Lindbergh. He regularly contributes to Vogue, French, British and Italian, ID, Love and interview. Shon has also been working on shows across the world such as Belstaff, DKNY, Hogan, Mugler, and Pringle of Scotland. SHON is now one of the most sought after creatives with his technical ability and outstanding vision he continues to push the boundaries of what fashion is today.
Award
Nominate
General Comments
初回からお手伝いさせていただいていることもあり、作品の完成度が年々高まっていることが感じられる。出品作のほとんどがファッション雑誌にそのまま掲載されても違和感はないだろう。それだけセンスの良い作品が揃っていることは間違いはない。ただ回数も重ね、もうワンランクアップさせ世界に発信するためには、センスよさだけでは物足りない。センスの良い人間は世に五万といるからだ。アートであれ、ファッションであれ、現代に生きている創造側の人間なら、時代の流れ(環境、経済、政治、教育・・・)を敏感に捕らえ自分自身の哲学を作品に反映させることも必要である。すでに参加デザイナーの多くが持ち合わせている優れたセンスと現代に生きる己の思想とが一致する時、ファッションの範疇を越えた優れたアートが登場するであろう。その希望が持てる100人展であることは間違いない。
- 端 聡(美術家/アートディレクター)
美容の専門家ではないので、カットやパーマ、カラーといった話でなくて恐縮だが、
昨年にくらべ、演出やコンセプトに特徴のある作品が増えたように思う。
写真というジャンルではおなじみだが、昨年は見なかったような連作などといったチャレンジングな作品もあったし、クリエイティヴな挑戦はこれからも続けて欲しい。
傾向と対策みたいな気配が漂ってこないのが「北海道ヘアデザイナー100人展」の素晴らしさだと思う。
成功論から学ぶべきはそのマインドであろう。成功した誰かと同じことをしても、その人を超えることなどできるわけがない。
借り物の言葉で綴られたラブレターでは、相手に気持ちは伝わらないのと同じだ。
若い映像クリエイターに「経験や知識は、それを否定してそれ以外のクリエイティヴに挑戦するためにある」と教えたことがある。誰よりも新しくあるために、知識を磨き、経験を積み、誰も到達していない地平にたどり着かなくてはならない、と。
「高校の数学なんてなんの役にも立たない…」とはよく言ったものだけど、本当に役に立たないかどうかはやってみなければわからないし、役に立つ人もなかにはいるかもしれない。まずは知り、経験して、それをステップに次の挑戦を目指して行って欲しいと思っている。
- 鈴木 謙太郎(映像ディレクター)
フォト作品に関しては、ビジュアルワークまで手の込んだアーティスティックなものから、サロンスタイルの延長線上にありつつも次の時代感を感じさせるリアルなものまで、非常にバリエーション豊かで、ひとつひとつ興味深く拝見しました。札幌駅地下歩行空間に展示されたこれらの作品群を目にした人たちは、それぞれに感情や感性を揺さぶられ刺激を受けたに違いありません。また、一般WEB投票の数の多さを聞いて驚きましたが、その結果からも100人展への期待度や認知度が高まっていることは確実。SNSの活用により、美容業界だけでなく一般消費者にもリーチしやすくなり、イベントを知ってもらうことはもちろん、美容に興味を持ってもらう重要なきっかけづくりが実現されつつあるのではないかと思います。また、100人展をテンポラリーなイベントとして終わらせずに、作品集として1冊のブックにまとめて残すということも、非常に価値があること。今後も一般的なフォトコンテストとの違いを活かし、北海道らしさや独自性をより明確化しながら、益々発展していくことを期待しています。
- 工藤 亮(新美容出版株式会社 SHINBIYO編集部)
100枚を超える応募作品を初めて拝見したとき、色、形、アレンジ、etc.たくさんのアイデアや感性に触れ、まずはそのバリエーションに驚きました。そんな中でとくに惹かれたのは、ショートカットの毛先で躍動感を感じさせてくれた「アンビバレンス」や、大きな毛束の流れだけで印象的なバックスタイルを見せてくれた「NO TITLE(48)」、前髪の動きひとつでリーゼントにエレガントなニュアンスを加えていた「One scene of the movie」など、髪の特性を生かして自然にデザインに落とし込んでいるスタイルです。同時に、鳥の羽根やボタンなど、異質だけど髪になじむ素材を使ってセンスよく仕上げていた作品を見て、ヘアデザインだけでなく髪型のさらなる可能性も感じることができました。ぜひこれらの発想を、普段のヘアスタイル提案にも発展させていってください。“ファッション誌の中でも、もっとフレキシブルにヘアスタイルを楽しんでいかなくては!” と実感させてもらった「北海道ヘアデザイナー100人展」でした。
- 井出千種(GINZA編集部)
この度、初めて参加させていただきまして、まず驚いたのは似ている作品がひとつもないということです。拝見させていただくうえで見応えがあったのはもちろん、良い意味で北海道「らしさ」がないという、他地域にはない独特な土壌に期待がふくらみました。「つくる」ことを始めるときに、人はまず憧れを持つと思います。憧れや模倣は多くの先人がおっしゃるように、決して悪いことではありません。クリエイションという答えのない世界の中で、憧れははじめの一歩を踏み出すときの大切な道しるべです。ただ、みんながみんな同じものを目指したとき、先に待っているのはオリジナリティのない自分と作品……という可能性も。美容師の世界は広いようで、狭いです。ですから何に憧れ、何を目指すかは、美容師としてのオリジナリティをつくりあげるうえでとても重要です。そういった意味でこの100人展で感じた「らしさ」のなさは、参加者お1人おひとり、北海道エリア、どちらにとってもおもしろい未来を予見しているように思いました。参加者の方々には自分とは異なる作品から刺激を受け、改めて自分の「らしさ」を確認して、また来年につなげていっていただければと思います。
- 福田真木子(月間HAIRMODE編集部)
2年連続で素晴らしき日に参加させていただけたこと、本当に嬉しく思います。ありがとうございました。今年も札幌の地で、楽しくワクワクするような充実した時間を過ごすことができました。たくさんの上質な作品と出会え、そして、懸命に作品づくりをされてきたクリエイターの方々とも直接お会いすることができ、熱い想いや情熱を直接投げかけてくれたこと、本当に感謝しております。SNSを活用した一般投票なども今年から始まり、少しずつではありますが着実に進化を続ける北海道100人展。北の大地で研ぎすまされるヘアデザイナーたちの腕と感性、このイベントを通じて今後もCYANとして注目をしていきたいと思っています。会場でもお話させていただきましたが、北海道の大地や風土を活かした作品なども出てくると、もっと素晴らしいコンテストになるのかなとも思っています。もしまた参加させていただく機会があれば、そんな観点からアワードを選出させていただき、全国へ配信していくお手伝いもさせていただきたいと考えています(今回のアワード作品はCYAN issue.007/10月30日発売号にて掲載)。本当にありがとうございました!またお会いしましょう。
- 鈴木 暁(CYAN編集長)