2018


Award

新田桂一 選出
マネキン
津田 宗弥 / neRo
清水 文太 選出
Capeline Hat
辻村 潤哉 / Z SALON
児島幹規 選出
Japanese race
岩井 祐美子 / Alice
寺口昇孝 選出
リザ
川上 文章 / loloi
端聡 選出
肖像
梅田 隆幸 / PERK.
参加者投票 選出
TWINS
丹野 裕二 / 帯廣美容所

Nominate

新田桂一 ノミネート
Capeline Hat
辻村 潤哉 / Z SALON
Japanese race
岩井 祐美子 / Alice
ヒューマノイド
北河 潤 / ZEEN 札幌店
veil
鶴来 悠佑 / NODE / BUILDKLOSTAR

清水文太 ノミネート
花瓶
熊谷 結衣 / Niico
the clay
木村 崇之 / VISAGE
Vegetable
三浦 快 / kestra
古谷 豪児 / avant

装苑編集部 ノミネート
ヒューマノイド
北河 潤 / ZEEN 札幌店
veil
鶴来 悠佑 / NODE / BUILDKLOSTAR
Cetonia
山下 大器 / Hair make U-YU
Neutre
藤川 和也 / bico

HAIR MODE ノミネート
paint
石川 広樹 / PAUL SAWADA GROUP DIO
ミドリノコダマ
幸田 英也 / chitoka
piece of MY Heart
関 祐也 / cotie
Cetonia
山下 大器 / Hair make U-YU

端聡 ノミネート
マネキン
津田 宗弥 / neRo
それはスポットライトではない
加藤 悠大 / SCRUM HALF
タブー
古谷 まあや / SALON77
Broken doll
RUMI / SALON77


Saharaサハラ
阿部 雄太 / NUMBER NINE
stimulates
石野 秀美 / courage japan
sway
北嶋 紗織 / PD VISEO 4pla
weird
ウカエ ヒロアキ / suecica
Jealousy
勝谷 悟史 / NUMBER NINE
forget me not
勝山 直哉 / cotie
SINIGAMI
甲矢 幹貴 / Iris.
KAZENOHI
川合 里奈 / I's PRISM
マリア様
カラウシアスカ / bico sapporo
witch
池山 毅 / THE BENCHMADE STORE
quiet
小野 恵一 / Z SALON
Dryness
小野寺 真慧 / FITS due
可愛いは正義
奥田翔子/阪中瑠唯 / J module hair
徒花
葛西 ユーキ / ZSALON
listen to Lazy
一誌美 / moooooi HAIR SPACE
光へ
加藤 司 / tool hair
float
大家 彩夏 / 帯廣美容所
~ゴールデンカムイ~ アシリパ
青山 正典 / ネイチャリーアヴェダイオンモール旭川駅前店
Morning glow
asaco / SALON77
fairy
アヤナ / 帯廣美容所
Puppet
石川 良子 / Re'makes
Shiro
石黒 貴士 / ZEEN 札幌
flocon
江口 小耶香 / Hairmake U-YU
sinkai
erico / SALON77
branch
石橋 直人 / Lapasa
from here
大澤 慶子 / shiseido the store beauty boost bar
脱皮
大野 昭夫 / ECOLE
memento
石丸 一志 / SEED HAIR 富良野店
〇〇 と 彼女
アイヤマ マリア / bico sapporo
妖艶
北村 香奈江 / 帯廣美容所
peek
浮田 有人 / vifreve
simple
kinta / SALON77
carve
氏井 宏治 / courage japan
Peter Pan
熊谷 公亮 / FITS
Fountain
宇津宮 慎 / orga
slicked back hair
黒澤 建 / Le Reve
campana
ウノ シブキ / FITS due
いみてーしょん☆ぷろれす
石橋 宏基 / 資生堂美容室
anemone
SOME / hair make gekkabijin
ネオ・シャクシャイン
高鳥 剛一 / CUBE hair precious
静寂
黒田 円 / LimeLight
ranunculus
小杉 健 / HAIR STUDIO BRILLER
残像
作家 杏菜 / mandrill
花粉症
ササイカナ / navarro studio
Izumi Sato / salon87
攻め
猿倉 ゆかり / モッズヘア旭川店
DREAM pop
高橋 雄太 / Re;tique HAIR ARTS
& Loser
滝田 恒平 / THE-FAIR
airy
竹本 圭吾 / KALUHAIR
BAD NOBITA
タナムラタイシ / Lien hair atelier
HOKUSAI
田上ヒロユキ / シードヘア イオン旭川永山店
space mushroom
丹後 宏太 / bico seam
アーバン民族
佃 美咲 / BUDDY HAIR FRAIS
viola
鶴ヶ崎 琴恵 / SEED HAIR東神楽店
廃墟と少女
鶴見 健治 / hair&make Artless
wire girl
戸田佳孝 / SEED HAIR
NO TEARS
NAOKO / SALON77
60年代street
長尾 麻利 / mashu natural hair
サボテン
中川 まどか / SHISEIDO
almond
ナカジマ ヤスノリ/ハセガワ シン / pino/HDS
xxx
中嶋 凌生 / FITS due
blooming
Yu Nakata / Salon87
僕のマドンナ
中道 翔一 / MANDRILL
Loneliness
土屋 円 / FITS CORE
華活
natsuka / クラージュ西町店
「麗」
narumi / THE BENCHMADE STORE
konchu_
西出 智絵 / shiseido beauty salon
LESS IS MORE
Junko Hasegawa / Coiffeur
wind
板東 裕希 / bico seam
フィッシュボーン
伏谷 拓真 / 資生堂美容室
Women in Vietnam
fujiwara kunimasa / coupe de KUNI
illusory
宝福 愛梨 / fits/plus
夜華
hono / フリー
mjuk
ナス ヨシヒロ / Tomte Fika
遊火
MARY / 帯廣美容所
daybreak
MAYUMI / salonORO sapporo
~1987~ Pop culture
三塚 由美子 / LOREAL salon amusant
やさぐれ
MIYA / moooooi HAIR SPECE
impulse〜衝動〜
村井優紀 / FITSCORE
Indian warrior
村上 郁美 / ヘアースペースクラージュ西町店
her
松永 麻衣子 / WORLDLOVE
Lilaclilac-breasted_Roller
mana / SALON77
『芳一』
山口卓美/小島大輔 / hasami
unnatural green
山原 裕介 / moooooi HAIR SPACE
Dampness
yumiko / hairsalonSKNOW
sweet&cool
村上 賢 / Twinkle
Human Nature
柳本 幹子 / SAPPORO COIFFE 日本橋店
Iris
山口 彩美 / HairmakeU-YU
ツクヨミシラベ
山口 ジュン / Numerous
sazae de mode
横山 光輝 / DROLL
正しい主張
横川 真奈 / coupe de KUNI
建築と解体
横川 裕也 / courage japan
ONi!!
YOSHIKI / SALON77
Vintage
吉田 たつお / BUONO HAIR
Artfair fairt
吉田 将 / NUMBER NINE
渇き
RICO / HACO
Tarzan
渡邉 理 / +kiitos- hair&make
余韻
渡辺 勇太 / bico sapporo
Pogo
渡辺 ユータ / haRu hair studio
jellyfish
WADA / lico 札幌駅前


General Comments


北海道から発信するヘアデザイナー100人展 最高でした!
審査員として参加させて頂き、沢山の作品との出会いの機会を与えてくださって感謝します!
ここでデザイナーの方達、スタッフ方達に大きな拍手を贈ります 笑
何かを創って、表現するという作業って本当に楽しいですよね。私はフォトグラファーとして常に思っている事は皆んながハッピーになる事で、写真を見た人を幸せな気持ちにしたいって思ってシャッターを押しています。見方や感じ方はその人それぞれですが、幸せな気持ちになったり、自分の創造力への刺激になったり、美しいと感じたりとか。それは私達が生活して行く上でとても重要な事で、常に模索し前向きに人生を歩んでいける糧になってゆくはずです。
皆様の豊かな創造性で自分と周りの人々をどんどんハッピーにしていきましょう!
今回が10回目となった北海道ヘアデザイナー100人展、次回がもう楽しみです 笑
北海道から全国へ、はたまた海外へとこの素晴らしい企画を発信して幸せを広げて行きましょう。
また皆様にお会いできる時を楽しみにしています!

- 新田 桂一(Photographer)

知人からの紹介で100人展の審査員として参加することになりましたが、最初「え、俺?髪の毛ないよ?」と驚きを隠せませんでした。僕よりふた回り以上上の方と肩を並べて審査をし、下手したら参加者は全員僕より年上という自分にとって、ある意味慣れていてカオスな状況だったけれど(どこに行ってもそうなります現在においては)
個人的にはこの年齢なりに参加できた意義が見出せた気がします。どうせ老けるから年齢なんて関係ないのだけれど、やはり社会的にみたら若いということは武器でもあるしネックでもある。それをコンテストの審査にもあててみようと思って、他の方が’確実に’選ばないだろうなという作品をアワード以外では選出したんです。
北海道の野菜を使った作品や、泥がなんだかわからないものが付いた作品、鳥という形容が難しい作品、後ろ姿の作品…など絶対にコンテスト向きじゃない作品を選ぶと決めていたので、これで良かったと思っています。他の審査員の方や参加者がどう思っても。僕の単なるフィーリングで選出が決まるのも面白いと思いました。他の方が選んだ綺麗な作品ではなく もっともっと 泥臭さや荒さを感じるものを選ぶことが僕にとっての役割だと感じたからです。それをしなかったら おそらく新田さんや小島さんなどなど他の審査員の人と同じ毛色で作品を選んだと思いますから。
皆さんに会うきっかけをくださった100人展が継続してもっともっと広がりを見せたコンテストになったら僕としても本望ですし、また次の機会参加ができたら お互いに成長した姿を見せられるのではないかと思います。
僕、武道館公演をすることが目標なので 叶ってたらいいな。次来た時。すみません、自分が大好きなので自分の話多めになってしまって。笑笑
またお会いしましょう。有難うございました。さよなら。

- 清水 文太

昨年に続き2度目の審査となりましたが、前回と比べると既視感のある作品は少なかったように思います。その代わり、突き抜けた作品も少なかった。全体のそうした印象も、選考基準に影響しているところが少なからずあると思います。これを書くのはよくないのかもしれませんが、実は昨年も今年も、自分が選んだ作品は鎖骨が見えています。僕は鎖骨が好きだから……ではなく(苦笑)、着用していないものを選んだ理由は、服とヘアメイクとのバランスで、で気持ちが動いた作品が少ないということ。モノトーンの写真なら色合わせを気にしなくていいのと似ています。とはいえ、服の色や素材感、背景の色も含めうまく構成できればそうした作品のほうが明らかに強いので、勝負できる人は必ずしてください。人の気配を生かさず、絵として見せるなら外国人のほうが圧倒的にハマります。
とにかく、総評としてお伝えできるのは、何を伝えたいのかをもっとシンプルに考えてほしいということです。その結果ヘアの色や形状が複雑になってもそれは表現のためで、迷いではありませんから、だったらやれるだけやってしまえばいい。伝えたいことを欲張らなければ、表現の可能性は広がるはずです。不安が多いといろんな要素を入れたくなりますが、写真でも文章でもなんでも迷いがあるとぼんやりした印象になってしまいます。だったら、元々自分は何を表現したかったのかという本質に立ち返り、そこから表現の幅を広げるほうが自分らしく勝負できるのでないでしょうか。
勝手に色々と書いてしましましたが、今回の審査も楽しめました。他の審査員の方が会場ではなされていたように、もっと大きなイベントにできると思います。今後も楽しみにしていますし、また楽しめる機会があれば嬉しく思います。

- 児島​ 幹規(装苑編集長)

今年で10回目を迎える北海道ヘアデザイナー100人展。作品出展数も123点と多く、参加者も北海道だけでなく、東北、関東、九州と広域にわたっているなど、バラエティにとんだ作品を大変楽しく拝見させていただきました。通算6度のアワードの審査をさせていただき、時代の変化に伴い作品の精度も上がり、回を追うごとに上位の選出が難しくなっていると感じました。
特に今回は、突き抜けた独創性や創作性の高いものというよりも、切り口や見せ方はそれぞれの思いを込めてバラエティ豊かに表現されつつも、デザイン性だったり、構成力だったりを作品の中心に考えたものが多くあったように思います。個人的には作品の方向性を問わず「ヘアデザイン」としてどのように構成されていたかを審査基準とさせていただきました。髪の質感、カタチ、色味、バランス、似合わせ、時代性、表現力、構成力など。これらを視点とし、ヘアデザインを中心に総合的に完成度が高くオリジナリティのあるものを上位に選出いたしました。
100人展の初回のころはヘアデザインの方向性や構成など、まだまだ定まっていないものも多く見受けられましたが、今回は全体を通し安定感のあるデザインが多く、全作品の底上げがされていて、アワード自体が気持ちのいい空間になっていたと思います。回を重ねるごとに進化し成長してきた同イベントも早くも10年。今後新たな局面迎え進化し続けるのだと思いますが、特別な制約を受けることなく伸び伸びとクリエイションに向かい合い情報を発信する「場」として、これからも期待しています。

- 寺口 昇孝(月刊『ヘアモード』誌 / 代表取締役社長 兼ヘアモード編集長)

総評と言うより、個人的に最後までアワード候補として悩んだ「マネキン」と言う作品や、私のノミネート作品に触れておきたいと思います。まず①「マネキン」ですが、この作品は現代や近未来の出来事を我々に示唆してます。承知の通り、昨今、AI人工頭脳の進化が劇的です。アメリカでは2000年から家庭用のペットにマイクロチップの埋め込みが義務付けられ多くの州で実施が広まっているようです。人間の人体にもチップを埋め込む実験が急ピッチで進んでおり、手や腕にチップを埋め込み、呼吸や体調の情報をモニターしたり、またiPoneなどスマホと連動させる実験も行われているようです。今後このようなAIの発達により、人間のサイボーグ化や、機械やロボットで代用できる人間の仕事(単純労働)は減って行き、本来の人間が持つ、創造性の発揮というものが問われる時代が目の前に迫っています。テクにロジーの劇的進化には多くの希望がある反面、少々怖い気もします。このマネキンという作品は、我々はAIに操られるマネキンなのか、それともマネキンやロボットを操る人間なのか?近未来の人間社会に警鐘をならす作品だとも言えます。②「タブー」写真表現としては絵画的で新しい表現です。自らの髪をヴェールとして全身を覆い自らの身体を隠しつつも、隠された身体から逆に強烈な個性を発した強い作品。③「それはスポットライトではない」摩訶不思議な作品です。写真の中の情報を考え、ストーリーを追っていけば追っていくほど意味不明!ただしっかりと髪型の主張だけはしている。不思議さとインパクトがある面白い作品です。④「ブロークンドール」髪を切っている最中、途中のまま完成作品にしています。写真という2次元表現の中に髪が落ちてゆく時間軸を取り入れているアイディアが面白いです。主体と客体の関係性の再考という意味も含まれ、切り落とされた髪は自分ではないのか?すでに客体としての物質なのか?極端に言えば体内にある水分は自分だが、尿なった瞬間に自分ではなくなるのか?我々の存在そのものにメスを入れてる作品だとも言えます。以上。

総評番外編
10年はひと昔と言われます。なぜか私は専門職でないのに関わらず、その一昔前からこのコンペに携わっています。そのことには感謝です。
最初にこのコンペの企画書を情熱あるヘアデザイナーから渡されたことを覚えています。当初は、今の様にSNSとかもそれほど発達してなく、インスタ映えという言葉もない時代でしたから、参加者は手探り状態での出品だったと思います。
それが1回目2回目となって、次第にお互いの競争心も沸きはじめ作品の完成度もどんどん高くなりました。5年目を過ぎた頃から道外、海外からの出品者も少数ではあるが現れ、当然道内デザイナーもそれに刺激を受け一層、完成度が高まりました。それが昨年までの状況だと思います。
今年、事件が起きました。これを読んでいる参加者の皆さんは承知だと思いますが、今年のアワードが1作品を抜かし全て道外の参加者であることです。このことには2つの意味があると思います。
ひとつは、この100人展が北海道を超え、道外に認知されたということ。もはやこの100人展がローカルな存在ではなくなったとうことです。これには大きな希望が持てます。
もう一つは道内の参加者の意識レベルを高めなければならないということです。先述した通り1回目から5回目までは、道内の勝負だったと言っても過言ではありませんでした。6回目ぐらいから道外の参加者も増え、道内デザイナーも更なる大きな刺激を受け全体として作品完成度が高まりました。
このことを考えると、個人個人がどの範囲で創造性を働かせているか?が問題だということです。例えで言えば、ある学校があって、最初は隣の人にいいね!を言われたかった。次にクラス全員にいいね!を言われたかった。次に学校全体でいいね!と言われたかった。次に全国の学校でいいね!と言われたい。というように各参加者の創造性を働かせる範囲を広げるということだと思います。
今となっては当然このコンペでは世界を標的にしなければならない時期に突入したと思われ、世界の最高峰の情報を取り入れて、尚且つ自分自身の創造性を発信しなければなりません。目標範囲とは自分自身で決めるものです。他者が決めてはくれません。あくまでも意識の問題です。「井の中の蛙」「お山の大将」とならないように意識を広い範囲としていただきたいと思います。
2013年付の日本経済新聞に人気観光都市で札幌は世界7位となっています。今でも上位にランクされている有名都市です。胸を張って創造性の範囲を広げ、世界のクリエーター達と勝負していただきたい。意識の変革だけが結果を変えるからです。

- 端 聡(美術家 / CAI現代芸術研究所アートディレクター)