2012年6月19日(火)、今年4回目の開催となる【Hokkaido Hair Design 100】展が初日を迎えました。

「新たなヘアデザインを創り続けることをお約束します」との実行委員長の挨拶の後は、グローバルに活躍中のヘアデザイナー/井之丸泰子さん(Innocent代表)のトークが行われました。

 

「ヘアデザイン関係者だけではなく、幅広い人々に関心を持って欲しい」との願いから、今年のオープニングおよびゲストトークは、札幌駅前通地下歩行空間(北3条交差点広場)にて、初のパブリックスペースでの開催となり、井之丸さんも冒頭で「このようなオープンスペースでのトークは初めて」と驚かれたとおり、参加者のヘアデザイナーや関係者だけではなく、行き交う人々が足を止めたり、トークに聞き入るというなかでの幕開けでした。

井之丸さんが美容師として働き始めてすぐ、仕事終了後にメイクのプライベートレッスンを受けていたこと、バックパッカーのようにして欧州を勉強のために旅行したこと。その際に撮影したヘアメイク写真も「恥ずかしくて」一年程しまいこんでいたけれど、とある雑誌のカメラマンに背中を押されて持ち込んで掲載となったこと、そして初めて体験した「カメラマン、モデル、自分などスタッフ全員のパワーがかけ算になった現場(作品)」撮影のことのほか、自分の中で悩んでいた時の経験談など1時間半とは思えないほどのボリュームでした。

国内外で活躍し、「いつも私はテーマやコンセプトを”やりすぎ”というほどにしっかり決めます」と仰る井之丸さんでも、「自分らしさとは何か」という疑問を抱き、原点回帰しながらも「悩みながらもがいて色々やってみるけれど空虚感があった」時期を過ごされたそうです。

けれど、主宰されている【INNOCENT CREATIVE ACADEMY】のテーマでもある「発想の転換」をもとに、「もがいてもがいて、もうどうしようもないってくらいもがいた時”おりてくる”ものがある。とにかく目の前の課題を必死にクリアすることだけを考えて行動して」と会場のヘアデザイナーの方々へアドバイスというエールを贈って下さいました。

 

また、午後6時からは祭太郎(口上パフォーマー)、茂呂剛伸(ジャンベ奏者)×キック(コンテンポラリーダンサー)、大黒淳一(作曲家、サウンドデザイナー)によるパフォーマンスのほか、映画「ヘルタースケルター」公開を7月4日に控えた映画監督/蜷川実花さんと俳優/新井浩文さんによるトークなども行われ、立ち見がでるほどのオープニングイベントとなりました。

 

ところで、会場では陸前高田で製作されている【瓦Re:KEY HOLDER】のチャリティー販売が行われていたのはご存知でしょうか。

震災で発生した瓦礫を小さく切断し、怪我をしないようやすりをかけてひとつひとつ被災地の皆さんが組み合わた、カラフルなキーホルダーです。道内でも様々なイベント会場で見かけることもあると思います。

今回は、4月から陸前高田にボランティアとして滞在し、【瓦Re:KEY HOLDER】の制作などにも関わっている札幌出身の酒井麻衣子さん自ら販売のために来札。「被災地で大変な時を過ごしながらキーホルダーを制作する彼らの想いが伝わるように、一人の手から、指先から、誰かの明日のその指先に繋がるように」との願いがこめられています。チャリティーとしてキーホルダーを購入頂いた寄付600円の中から、キーホルダーの制作費と陸前高田で活動するヘアデザイナーの為に全額使わせて頂きます。チャリティーにご参加頂きました皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

 

そして、最後に【Hokkaido Hair Design 100】展の作品についてですが、今年は110人のヘアデザイナーの皆さんの参加を頂きました。

東京在住のカメラマンに撮影を依頼し、仕事の合間を縫って東京へ出向いたという作品や、これまでのイメージとは異なる作品を出展されたヘアデザイナーなど全ての例を挙げられないのが残念ですが、とにかく今年は作品レベルが飛躍的にアップしているとの高い評価を頂いています。

7月3日(火)までの開催となっておりますので、ぜひ(何度も!)足を運んで頂ければ幸いです。