HOKKAIDO HAIR DESIGN 100

今回の作品はロンドンに留学中にヘアスタイリストとして参加して作ったものです。実は手前のモデルさんは女性です。映画の１シーンをイメージして作りました。特別なヘアスタイルを作るのではなく、いかにこの作品に馴染むか考えました。 ロンドンという街で素晴らしい仲間と作り上げた思い出深い作品です

【鈴木謙太郎】
今年もたくさんあった応募の中から、僕の主観でもってアワード作品を選ばせてもらった。2回目というのもあるが、選ぶのにさほど時間がかからなかった。それくらい鮮烈な印象をもった作品に出会ったということだ。作品タイトル通り、映画のワンシーンを想像させる。流れる時間の中で切り取られた一瞬の中に、しっかりと前後のストーリーが閉じ込められているように見える。何を話ししているんだろう…二人の関係は？…どこから来て、どこへ消えていくのだろう…そんな想像を補完するヘアメイクやスタイリングがとてもいい。造形的な迫力も大事だけど、どこか見ている人の記憶を呼び起こすようなコンテクストに強く共感した。
【端聡】
１９６９年、人類初となる月面着陸がNASAのアポロ１１号によって実現した。当時、NASAは世界最高性能を誇るコンピューターを駆使し、その大きさは巨大体育館ぐらいの規模だったと言われる。今、私のポケットにiphone6がある。この小さなiphoneに内蔵されるコンピューターチップは当時のNASAのコンピューターより遥かに性能が高いらしい。このテクノロジーの劇的な進化は我々に便利な生活を与えたが、一方少々怖い気もする。今回アワードに選んだ作品は、昭和を彷彿させるレトロなフィルム効果を実現させ映画の１シーンを演出している。近代以降の劇的なテクノロジー進化について、この二人は語り合っているのだろうか。気になる１シーンである。